顧問弁護士を契約する際の月額料金の相場は?単発依頼とどちらがお得?

顧問弁護士を契約する際の月額料金の相場は?単発依頼とどちらがお得?

顧問弁護士を契約する際の月額料金の相場は?単発依頼とどちらがお得?

 

顧問弁護士への依頼に悩んでいませんか?

  • 顧問弁護士の月額料金
  • 顧問弁護士にどこまで相談できるのか?
  • 単発で相談した場合とどちらがお得なのか?

なんとなく顧問弁護士について理解していても、実際には上記のような疑問があるのではないでしょうか。

今回の記事では、顧問弁護士の料金や依頼するべきメリットについて解説します。

目次

顧問弁護士とは

顧問弁護士とは、名前のとおり会社や個人などの「顧問」として、継続的に法律的なサポートをしてくれる弁護士です。

顧問弁護士をつけるのは企業であるケースが多いですが、個人でも顧問弁護士をつけられます。

企業においては、労務管理の改善や社内規定の整備、契約書のチェックなどを継続的にサポートします。

他にも、企業内で法律的な困りごとがあれば、気軽に相談可能です。

もちろん、企業が弁護士に依頼する場合は、必ず顧問弁護士をつける必要があるというわけではなく、困りごとが起こる都度、単発で相談や依頼を行うことも可能です。

顧問弁護士を依頼するべき企業とは

顧問弁護士を依頼した方が良い企業は、法律的なやり取りの多い企業です。

年間で考えたときに、法律的な悩みなどがない場合は、単発で依頼した方が費用を安く抑えられるケースもあります。

以下では、特に顧問弁護士に依頼した方が良い企業の特徴を解説します。

社員を雇っている

社員を雇っている企業であれば、顧問弁護士を付けた方が良いでしょう。

雇用関係がある場合は、労務やハラスメント、解雇など、様々な法的なトラブルが発生する可能性が高いです。

就業規則や雇用契約書なども作成しなければならないので、顧問弁護士をつけておいた方が良いでしょう。

反対に、個人で仕事をしている場合であれば、それほど必要ではない場合もあります。

ただし、業務委託などを行っている場合でも、委託契約書のやり取りが必要になるので、顧問弁護士をつけておいた方が良いです。

契約書のやり取りが多い

取引先が多く、契約書のやり取りが多い企業は、顧問弁護士をつけた方が良いです。

契約書を毎回作成するとなると、その分の費用がかさんでしまいます。

顧問弁護士をつけておけば、定型的な取引であれば、通常は顧問料の範囲内で契約書のひな形作成のサポートを受けることが可能です。

また、取引先との内容によって、適切な契約書の作成やチェックまで行います。

後々のトラブルを防止するためにも、契約書のやり取りが多い企業は、顧問弁護士をつけておくべきです。

法規制の厳しい業種

法規制の厳しい業種は、顧問弁護士の必要性が高いです。

法規制の厳しい業種は、法律が変わるごとに企業活動を見直さなければいけません。

たとえば、金融業界や医薬品、不動産、IT業界などです。

IT業界であれば、以下の法律に注意しなければいけません。

  • 不正アクセス禁止法
  • プロバイダ責任制限法
  • 個人情報保護法
  • 著作権法
    など

企業だけでこれらの法律を意識するのは困難です。

リスクを回避するために、上記のような法規制の厳しい業種は顧問弁護士をつけて、常に相談できる環境を作っておくと良いでしょう。

顧問料金で委託可能な範囲

顧問料金で委託可能な範囲について解説します。

ただし、一概にどこからどこまでの範囲とは言い切れません。

弁護士や顧問料金によって、委託可能な範囲は異なります。

以下では、通常最低限行ってくれる提供範囲について解説します。

業務上の法律相談

顧問料金の委託可能範囲として必ずあるのが、業務上の法律相談です。

業務上のトラブルが起きた際やトラブルになりそうな場合に、気軽に相談できます。

たとえば、「企業で行う新事業について、どのような法律が関わってくるのか?」や「揉めている取引先から請求書がきたが、金額は適切かなどです。

裁判に発展するようなケースでは、裁判の対応等は顧問料金に含まれないケースがほとんどですが、軽易な法律相談であれば、多くの場合顧問料金内の範囲になります。

契約書のチェック

契約書のチェックや作成も、ほとんどの場合で顧問料金の委託可能範囲となっています。

契約書といっても様々ですが、たとえば以下のようなものがあります。

  • 秘密保持契約書
  • 業務委託契約書
  • 雇用契約書
  • 委任契約書
  • 労働者派遣契約書
  • 売買契約書

業種によって必要な契約書は異なりますが、ほとんどの場合、これらの契約書のチェックや作成は委託可能範囲内です。

顧問弁護士を利用するメリット

顧問弁護士のメリット

顧問弁護士を利用するメリットは、多くあります。

料金や委託形態によっても異なりますが、主なメリットは以下の8つです。

  • 法的トラブルの予防
  • 他の依頼人よりも優先的に対応してくれる
  • 法務部門を設立するよりも低額
  • 企業への的確な法的アドバイス
  • 企業の代理人となって交渉してもらえる
  • コンプライアンスの相談が可能
  • 簡易的な法律相談が可能
  • 法改正などの情報をいち早くキャッチできる

それぞれの内容について、以下で解説します。

法的トラブルの予防

顧問弁護士をつける大きなメリットは、何かトラブルが起きた際の対応ではなく、トラブルを未然に予防できる点です。

顧問弁護士をつけておけば、何かトラブルが起きる前に相談できるので、大きなトラブルに発展しにくくなります。

もし問題があれば、指摘やアドバイスをしてもらえるので、法的トラブルを未然に防げるでしょう。

他の依頼人よりも優先的に対応してくれる

単発で弁護士に依頼する場合、案件を受任するまでに時間がかかってしまいます。

しかし、顧問弁護士に依頼した場合は、相談後すぐに対応してくれるのです。

トラブルが起きた際、企業としてはすぐに対処しておきたいでしょう。

顧問弁護士に依頼しておけば、他の依頼人よりも優先的に対応してくれるので、トラブル解決までがスムーズです。

法務部門を設立するより低額

企業によっては、法務部門を設立しているケースもあります。

確かに、法務部門を設立していれば、顧問弁護士に依頼せずとも、法的なトラブルをスムーズに解決できるかもしれません。

しかし、法務部門を設立するとなれば、人件費などのコストがかかりますし、人材育成には相当の期間が必要です。

大企業であれば法務部門を設立する方法を選ぶのも良いですが、中小企業等で費用を抑えたい場合は、無理に法務部門を設立するのではなく、顧問弁護士に委託した方が費用を抑えられます。

企業への的確な法的アドバイス

顧問弁護士は、一度委託すれば、多くの場合は長い付き合いになります。

そのため、企業の実情を踏まえた上で的確なアドバイスをしてくれるのです。

単発で弁護士に依頼する場合は、企業の実情まではわからないので、具体的なアドバイスではなくあくまで法律的な観点のみのアドバイスとなってしまうでしょう。

その点、顧問弁護士は社内の実情や企業が提供しているサービスもある程度理解しているので、会社に寄り添ったアドバイスを行ってくれます。

企業の代理人となって交渉してもらえる

取引相手と法的な問題がある場合は、顧問弁護士が企業の代理人となって交渉してくれます。

とくに契約交渉にあたっては、ビジネスの中身が適切に反映され、リスク発生を防げる内容でなければいけません。

このようなときに、法的観点がなければ、適切な交渉ができない可能性があります。

また、実際に何かしらのトラブルやクレームになった場合にも、代理人となって交渉してくれるケースもあります。

コンプライアンスの相談が可能

昨今では、企業のコンプライアンスが重視されている傾向です。

そのため、コンプライアンスについて、企業は強化していかなければいけません。

顧問弁護士に委託していれば、このようなコンプライアンスに関する社内規定の作成やコンプライアンス関連文書の管理、教育計画の実施まで依頼できます。

クリーンな企業でいるために、どのような部分に気を付ければ良いのか、マネジメントについても相談できます。

簡易的な法律相談が可能

顧問弁護士の業務には、法律相談が含まれています。

そのため、いつどんなときでも法律相談が可能です。

「この内容は法律に触れるのだろうか?」「取引先からこんな取引を持ち掛けられたけど、自社にとって不利になるのではないだろうか?」など、些細な相談を気軽にできます。

これまで「法的な観点は気になるけど改めて弁護士に相談するまでではない」といった内容も相談できるので、自社にとって適切な道を選びやすくなるでしょう。

法改正などの情報をいち早くキャッチできる

業界によって異なりますが、法律は常に変化があります。

とくに労働法や個人情報保護法、民法や商法などは改正の多い法律の分野です。

顧問弁護士に委託しておけば、自社に関係する法律の改正などの情報をいち早く伝えてもらえます。

改正の可能性がある段階で情報を伝えてもらえるので、いち早く対応を検討できるでしょう。

顧問弁護士を契約していない場合に考えられるリスク

顧問弁護士に依頼していない場合に考えられるリスク

顧問弁護士に委託していない場合は、以下のリスクが起こり得ます。

  • 弁護士に依頼する際に時間がかかってしまう
  • 依頼を受けけてもらえない可能性がある
  • 弁護士と相性が合わない可能性がある
  • 単発依頼の方が費用負担が大きくなる可能性がある

それぞれのリスクについて、以下で解説します。

弁護士に依頼する際に時間がかかってしまう

顧問弁護士は、何かあった際に優先的に依頼を受けてくれます。

しかし、単発で相談する場合は弁護士を探す段階から始まるので、対応までに時間がかかってしまう可能性があるのです。

また、相談から受任までにも時間がかかってしまいます。

トラブルに対して即座に対応したい場合は、大きなリスクとなってしまうでしょう。

依頼を受けてもらえない可能性がある

単発で弁護士に相談をする際、相談できる弁護士が見つかっても、依頼を受けてもらえない可能性があります。

もし依頼を断られれば、再度弁護士を探すところから始めなければいけないので、余計な時間がかかってしまうでしょう。

時間が経過すれば経過するほど、解決は遠のき、大きなトラブルにもつながりやすいので、企業にとって大きなリスクと言えます。

弁護士と相性が合わない可能性がある

単発で相談できる弁護士が見つかったとしても、必ず弁護士と相性が合うとは限りません。

弁護士は、得意としている業務や料金などの他、相性がとても大事です。

「こちらの話を聞いてくれない」「融通が利かない」「業界について詳しくない」など、相性が悪いことで起こるデメリットは多くあります。

ひとたび依頼すれば、基本的にはたとえ相性が悪くても問題解消まで付き合わなければいけません。もちろん途中で解任することもできますが、その場合は新たに弁護士を探す必要が出てくるため、問題解決には更に時間がかかってしまいます。

顧問弁護士であれば、長く付き合う中で関係性も構築できるので、このようなリスクは起こらないでしょう。

単発依頼の方が費用負担が大きくなる可能性がある

顧問契約ではなく、単発で依頼した場合、一つの依頼ごとに費用がかかります。

そのため、単発で依頼した方が費用負担が大きくなるケースもあるのです。

たとえば、契約書の作成を依頼する場合、顧問料金が月5万円、単発での契約書作成が5万円としましょう。

この場合、毎月1枚以上の契約書作成が発生する場合は、顧問契約を結んだ方が費用を抑えられます。

仮に単発での契約書が月に2枚以上になってしまうのであれば、単発での依頼は大きな負担になってしまいます。

顧問弁護士の相場料金

顧問弁護士の料金相場

顧問弁護士の委託料金については、法律事務所によって異なります。

また、月額の料金によってサポートする範囲が異なる場合もあります。

このような料金やサポートの範囲については、法律事務所側で自由に決められるので、あらかじめ確認しておくと良いでしょう。

以下では、2つの例で相場料金を解説します。

会社の規模やサポート内容によっては数十万円

会社の規模が大きかったり、サポート内容が幅広い場合は、20~30万円の料金になるケースもあります。

ただし、数十万円の顧問料金がかかる場合は、大手企業である場合がほとんどです。

社員が数十名~数百名であったり、定期的に弁護士による社員教育のセミナーなどを行う場合は、数十万円以上の顧問料金がかかります。

簡易的な法律サポートや、委託したい範囲が狭い場合には、顧問料金をもっと抑えられます。

中小企業の場合

中小企業の場合であれば、顧問料金は3~5万円が相場です。

日本弁護士連合会が公表している「中小企業のための弁護士報酬目安[2009年アンケート結果版]」によると、月額顧問料の回答は以下のようになっています。

  • 月3時間程度の相談を月額顧問料の範囲とする場合…5万円(52.7%)・3万円(33.5%)
  • 調査不要で即時に回答できる内容を月額顧問料の範囲とする場合…5万円(45.7%)・3万円(40.0%)

つまり、契約書チェックや電話やzoom、メール等の法律相談であれば、3~5万円に設定している法律事務所がほとんどなのです。

顧問料金を5万円としている法律事務所が多い理由は、過去に日本弁護士連合会が定めていた報酬基準規定が関係しています。

2004年4月に弁護士報酬が自由化される前は、日本弁護士連合会にて、事業者向けの弁護士顧問料の最低金額が月額5万円と定められていたのです。

現在この規定は廃止されていますが、当時の料金を目安にして5万円としている法律事務所が多く残っています。

そのため、現在では顧問料金が月額1万円という法律事務所もあります。

ただし、決して安ければ良いわけではないので、料金だけではなく、実績や相性を確認しておきましょう。

弁護士に単発で依頼する際の相場料金

弁護士に単発で依頼する際の相場料金

顧問弁護士ではなく、単発で依頼する場合の相場料金について見ていきましょう。

顧問料金と同様に、料金は法律事務所で自由に決められるため、一概に「〇円」という決まりはありません。

以下で解説する料金は、あくまで目安として考えてください。

また、一般的な「相談料」「着手金」「成功報酬」の他に、企業法務に関わる料金についても解説します。

相談料

相談料は、弁護士に法律相談をする際に発生する費用です。

相談料の相場としては、通常30分~1時間あたり5,000円。

ただし、昨今では、「初回相談料30分無料」としている法律事務所もあります。

このような相談料は、顧問弁護士に依頼している場合は当然発生しません。

また、顧問弁護士の場合であれば、比較的柔軟に長時間の相談を応じてくれることもあります。

着手金

着手金とは、弁護士が案件を受任し、処理にあたる際にかかる費用です。

ほとんどの場合、着手時に支払います。

金額設定については、依頼内容ごとに定めているため、一概に相場は言い切れませんが、請求金額の8%と定めているところが多いです。

昨今では、着手金無料としている法律事務所もありますが、その分成功報酬が高く設定されていることもあり。

着手金については顧問弁護士がいる場合でも支払いを求められることが多いですが、案件内容や成功報酬との兼ね合いを検討の上、通常より低い金額で依頼できることが多いです。

成功報酬

成功報酬は、弁護士に依頼して問題解決した場合に支払う費用です。

料金については、依頼内容によって異なりますが、おおよそ得た金額の16%と定めているところが多いです。。

名前のとおり「成功」した際の報酬なので、依頼が失敗した場合には成功報酬は発生しないことがほとんどです。。

成功報酬は、基本的に裁判などの対外的な対応に発展した際に支払う費用であるため、顧問弁護士であっても顧問料金とは別に追加費用として支払うことになる場合が多いでしょう。ただし、その金額について減額の相談にのってくれる弁護士事務所も多いです。

単発で法律相談を依頼した場合の料金目安

単発で法律相談をした場合の料金目安は、「相談料」にあたるため、3,000~5,000円です。

ただし、簡易的な相談ではなく具体的なアドバイスなどをしてもらう場合は、3~5万円かかる場合もあります。

どこまで相談するかによって料金が異なりますが、弁護士の方から「ここから先は料金が異なる」と指示してくれるケースがほとんどです。

単発で契約書チェックを依頼した場合の料金目安

単発で契約書チェックや作成を依頼した場合、契約書の内容によっても料金目安は異なります。

  • 簡易的な契約書作成・チェック…3~5万円
  • 取引内容が複雑な場合の契約書作成・チェック…10~20万円

上記の他、契約書の枚数に応じて料金を設定している法律事務所もあります。

契約書を作成する前に「どのような内容を記すか」「どの点を確認してもらいたいか」を相談しておけば、事前に目安の料金を提示してくれるはずです。

単発で労働問題を依頼した場合の料金目安

労働問題と一重に言っても様々ですし、会社の規模によっても料金は異なります。

以下はあくまで目安として参考にしてください。

  • 就業規則チェック…5~10万円
  • 就業規則作成…20~30万円
  • 人事制度サポート…50~70万円
  • 問題社員対応サポート…30~50万円

その他、訴訟などを起こす場合は、着手金や報酬金がかかる場合が多いでしょう。

単発で会社法務を依頼した場合の料金目安

会社法務についても、労働問題と同様で、会社の規模によって料金は異なります。

目安としては、以下を参考にしてください。

  • 株主対策サポート…70~90万円
  • 株主総会対策サポート…100~150万円
  • 取締役会対策サポート…80~130万円

その他、訴訟などを行う場合は、着手金や報酬金がかかるケースが多いでしょう。

単発で債権回収を依頼した場合の料金目安

債権回収においても、上記の例と同様で、会社の規模や債権の金額によって異なります。

参考目安は、以下のとおりです。

  • 内容証明郵便送付…3~5万円
  • 債権回収交渉・訴訟…10万円~(着手金)

交渉や訴訟を依頼して実際に回収出来た場合は、回収できた額に応じて報酬金がかかるケースが多いでしょう。

顧問弁護士の料金を抑える方法

顧問弁護士の料金を抑える方法

スタートアップや中小企業の場合、顧問弁護士の月額料金の捻出が難しい場合もあるでしょう。

が難しい場合には、以下2つの方法で料金を抑えられます。

  • タイムチャージ制
  • 顧問料積立制

ただし、上記の方法を導入していない法律事務所もあるので、事前に確認が必要です。

以下では、それぞれの方法の特徴について解説するので、顧問料金を抑えたい企業は、ぜひ導入している法律事務所を探してみてください。

タイムチャージ制

タイムチャージ制とは、時間あたりの単価から時間数に応じて報酬を算出する方法です。

相談や実務の時間によって報酬が計算されるので、弁護士に依頼するケースが少ない場合は、料金を抑えられます。

ただし、反対に弁護士に依頼するケースが増えてしまった場合には、固定の顧問料金よりも高くなってしまうケースも考えられるので注意しなければいけません。

あらかじめ、毎月どれくらいの相談が発生するかを考えた上で、依頼しましょう。

顧問料積立制

顧問料積立制とは、顧問弁護士を利用しなかった月の顧問料を積み立てておける仕組みです。

積み立てた金額は、法律トラブルが発生したときの弁護士費用に振り替えられます。

顧問として弁護士を頻繁に必要としない企業であっても、何かトラブルが起きた際に費用を抑えられます。

顧問弁護士のサポ―トが必要になる具体例

顧問弁護士のサポ―トが必要になる具体例

顧問弁護士の業務内容や料金について解説してきましたが、具体的にどのようなケースで顧問弁護士に相談して良いのか悩んでしまう方もいるでしょう。

以下では、企業でよくあるトラブルと、そのトラブルに対する顧問弁護士のサポ―ト内容について解説します。

いずれかに当てはまる、または過去に同様のトラブルがあった場合には、顧問弁護士をつけておいた方が良いでしょう。

トラブルを抱える社員に円満退職を促す

問題のある社員を解雇する場合、「不当解雇」と訴えられる場合があります。

しかし、問題社員をそのまま雇用していると、社内に悪影響を及ぼしかねません。

このような場合も、顧問弁護士に相談できます。

顧問弁護士が社員の問題行動を指摘したり改善を促したりした上で、退職について話し合う機会を設けてくれます。

不当解雇の法的リスクを回避し、円満な退職を促せるので、企業にとって大きなメリットになるでしょう。

売掛金回収

売掛金の入金遅延が発生し、催促しても入金がない場合も、顧問弁護士に相談できます。

売掛金の回収方法は様々ですが、自社だけでは適切な手続を判断できないでしょう。

顧問弁護士に相談すれば、法律に則り適切な手続を行ってくれます。

法的な手段を講じることで、債権回収の可能性が高まります。

自社にとって不利な契約を防ぐ

取引先との契約を結ぶ際に、契約書の内容について法的な問題がないか、自社に不利な内容が含まれていないかをチェックしてもらえます。

法律の知識がない場合、取引先の提示した契約書に対してザックリとしか見なかったり、問題があるかわからなかったりする場合があります。

顧問弁護士は、契約書の内容から、不利な点や法律的な問題がある点について確認可能です。

「顧問弁護士に事前にチェックしてもらう必要があるので」と言うことで、性急な契約締結を防止することができる上、より公平で有利な契約の締結を目指すことができます。

新規事業の開始

新規事業を行う際には、ビジネス自体が法律に抵触していないか、他者の権利を侵害していないかなどを確認しなければいけません。

これらの法律について把握していなければ、後々、ビジネス自体を白紙に戻さざるを得なくなる可能性がありますし、炎上して企業のレピュテーションを損なうこともあります。また、最悪の場合、賠償責任や刑事責任を問われる結果になるケースもあります。

金融や不動産、医療などの法改正の多い新規事業の場合は、新規事業に参入する前に気を付けるべき点をアドバイスしてもらえます。

あくまで「法律」の観点ではありますが、自社のビジネスを円滑に進めるためにも、顧問弁護士の存在が役に立つのです。

顧問弁護士を依頼する際の注意点

顧問弁護士を依頼する際の注意点

顧問弁護士を依頼する際には、以下5つの注意点を意識しておくと良いでしょう。

  • 顧問料が格安な場合の追加費用に注意
  • 顧問料が高額な弁護士が適切であるとは限らない
  • 専門分野に適した弁護士に依頼する
  • 自社のビジネスを理解している弁護士に依頼する
  • レスポンスの良さ

顧問弁護士とは長い付き合いになるケースがほとんどなので、弁護士選びを誤ってしまう可能性を防げます。

顧問料が格安な場合の追加費用に注意

先述したように、顧問料金は法律事務所によって異なります。

格安な事務所であれば、月額1万円~と設定しているケースもあります。

しかし、顧問料金が格安な場合は、多くの相談ができない場合があるので注意が必要です。

たとえば、「法律相談〇回まで」や「契約書作成は別料金」としている場合もあります。

ただ安いだけではなく、料金にどこまでの範囲が含まれているのか、顧問を正式に依頼する前に必ず確認しておきましょう。

顧問料が高額な弁護士が適切であるとは限らない

安さだけで顧問弁護士を選ぶのは良くありませんが、反対に高額であれば良いわけでもありません。

知識経験の弁護士であれば顧問料は高くなる傾向がありますが、例えばあなたの会社がほとんど訴訟案件がなく、簡単な契約書のチェックのみ必要ということであれば、適切な弁護士を選択することで、顧問料を抑えることができる可能性があります。

また、熟練の弁護士に依頼したつもりでも、実際に相談や依頼を担当するのは同じ事務所の若手弁護士ということもあります。この場合、人件費が反映されており顧問料が高額になっている可能性があります。実際に誰が担当するのかを事前に確認し、納得の上で正式な顧問契約を締結するのが重要です。

顧問弁護士を選ぶ際は、費用の多寡だけを参考にするのではなく、相性や自社に適しているかどうかを判断して依頼するべきです。

専門分野に適した弁護士に依頼する

会社の規模や業種によって、法律トラブルの性質は異なります。

中小企業であれば、通常、債権回収や人事、労働問題に特化した弁護士が向いているでしょう。

反対に、大手企業であれば、自社の属する業界や関係する法律分野に精通している弁護士や、資金調達やM&Aに特化している弁護士を探すなど、対応すべき事柄に応じて適した弁護士に依頼するべきです。

個人であれば、交通事故や離婚、相続など、それぞれの分野に特化した弁護士がいます。

弁護士と一重に言っても、すべての法律に長けているわけではありません。

一度話しただけでは自社に向いているかわからないので、いくつかの弁護士と面談を重ねて、最も自社に向いている弁護士を選ぶようにしてください。

自社のビジネスを理解している弁護士に依頼する

上記で解説したように、弁護士と一重に言っても、向き・不向きがあります。

そのため、自社のビジネスについて理解している場合もあれば、理解していない場合もあるのです。

たとえば、WebやITに関するビジネスについては、比較的新しい業態であり、法改正も頻繁であることから、ビジネスについて理解できていないケースがあります。

わかりやすいケースでは、Youtubeなどの動画配信サービスにおける著作権や名誉毀損について、深く理解している弁護士は少ないです。

このように、弁護士が自社のビジネスについて必ずしも理解が深いわけではないので、数人の弁護士と面談を重ねた上で、より自社の業種に合った弁護士を選ぶ必要があります。

レスポンスの良さ

顧問弁護士を依頼するメリットは、困ったときにすぐに相談できる点と言えます。

そのため、レスポンスの良さを重視しましょう。

レスポンスが遅い弁護士では、解決したい内容が解決できず、仕事に支障が出てしまう恐れがあります。

1通のメールへの返信に対して、遅くても24時間以内に返答してくれる弁護士を選ぶと良いでしょう。

 

顧問弁護士は料金だけで選ばないようにしましょう

顧問弁護士は料金だけで選ばないようにしましょう

今回の内容をまとめると、以下のようになります。

  • 顧問料金で委託可能な範囲は、主に法律相談と契約書チェック
  • 顧問料金は、規模や業務によって異なる
  • 中小企業の場合であれば、顧問料金の相場は3~5万円
  • 単発で依頼する場合の料金は、顧問弁護士よりも費用がかかるケースがある
  • 顧問料金を抑えたい場合は、タイムチャージ制・顧問料積立制を導入している法律事務所を検討する

顧問弁護士の相場料金は、中小企業であれば月額3~5万円程度です。

あくまで目安であり、3万円以下のケースもあれば、10万円以上のケースもあります。

しかし、実際に顧問弁護士と契約する際は、料金だけで選んではいけません。

自社のビジネスへの理解や、自社の規模や問題に合っているかどうかが重要です。

自社に適していると判断したのであれば、顧問契約をおすすめします。

単発で相談するよりも、顧問契約で相談した方がはるかに費用を抑えられるからです。

顧問弁護士は、インターネットの他、同業からの紹介などで見つける方法もあるので、ぜひ今回の記事を参考に、自社に合った顧問弁護士を見つけ、活用してください。

 

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